連休に引き続き、台風の影響で一日ずっと雨模様です。
事務所は台風対策の為に外に置いている資材やコンテナ鉢まで中にお引越し中です。
いつも台風が来ると聞けば、大移動なのですが今まで「大移動して良かったぁ」ということが一度もありません・・・・・・
しかし、父の「備えあれば患えなし」という方針があるからこそ起こっていることかもしれません。
雨続きのせいで、時間があったのか事務所の本棚の整理がされていました。
ふと見ると「枯山水の庭」という父が持っている古い本が目にとまりました。
石を組み、石を構築し、創造された日本の枯山水の庭は、「わび」という思想の世界の表象であり、
「幽玄」というひとつの宇宙の生成であり、美の世界の創造である。 −本から抜粋ー
枯山水の庭は、鑑賞する人に99パーセントぐらい委ねられているのではないかなと思います。
きっと小学生にとっては、ただの石が散らばった庭に過ぎないし、大人にとってもとてつもなく面白くない庭でもありえると思います。
私はというと、昔に比べると枯山水の庭が好きです。
静かに静かに、自分の心の中に入っていく感じがします。
その心は限りなく広がっていくような気持ちになります。
自分の心の中に宇宙があるような感覚です。
枯山水の庭園が、禅寺の塔頭と呼ばれる僧侶の隠遁の菩提寺に多い理由も、「静寂」の心を生活行
為の中に定着、形象化したゆえである。禅寺にあっては「静寂」は禅定三昧であり、黄巻赤軸(仏教経巻の異名)の世界であった。 −本から抜粋ー
枯山水の庭にはこのような宗教的な意味合いがあったことに納得です。
禅定三昧とは悟りの境地で、それを象徴した静謐な風景、石組みなどをさします。
ちなみに石は永劫回帰の象徴であり、神の転身という由来があるそうです。
枯山水の庭は深いです・・・・・・
京都「竜安寺の石庭」